写真の P38 は、東京マルイ
のエアコッキング式のエアガンである。 現在日本で発売されているエアガンは、ボンベに注入したガスを利用して弾を発射する『ガスガン』と、スライド等を弾く事で空気を圧縮して、その力を利用して弾を発射する『エアコッキングガン』、そして充電式のバッテリーや乾電池を利用して機械的に弾を発射させる『電動ガン』の3種類に大別
(名称は各社様々である)される。また、その弾を発射する力の強さによって対象年齢が10才以上のモデルと、18才以上のモデルとに分けられる。
モデルガンを集めていて、ふと「弾が出る銃も欲しい」という気になって、一番安価に入手可能な『エアコッキングガン』に手を出した。この
P38 は、10才以上のモデルで定価が1,980円というお値段である。 当然価格が10倍以上するモデルガンと違い、細かな部品が実銃通
りに再現されている訳では無いし、弾を飛ばすポンプ部が内蔵されているのだから、構造も大分違っている。勿論プラスチックなので軽いし、プラモデルに近いかもしれない。しかし、値段を考えれば当然と言えば当然であるし、逆にこの金額だからあまり躊躇無く色々と手を入れる事も出来る。 そんな訳で、このP38は一度分解して、トイガンのカスタムを手掛けるキャロムショットの専用塗料(塗料の方が本体よりずっと高い)を使って、時間をかけて塗装を行っている。
この銃も
PPK も、第二次世界大戦中はヒトラー率いるナチス・ドイツのご用達銃として使用されているので、戦争映画を見ているとドイツ兵は大抵この
P38 を手にしている。 私がこの銃を最初に意識したのは、1960年代に放映されたアメリカのテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ(The
Man From U.N.C.L.E.)』の主人公、ナポレオン・ソロとイリヤ・クリアキンが使っていたのを見てからである。 世界の法と秩序を守る国際機関アンクル(U.N.C.L.E.=United
Network Command for Law and Enforcement)のエージェントである主人公の使う銃がワルサーP38の改造銃で、通
常は銃身を切り詰めてサイレンサー(消音器)が装着してある。また狙撃等を行う時には消音機の前に長い銃身を取り付け、スコープや伸縮する金属製の銃床を取り付けたりするのがとても格好良かった。 詳細はコチラをご覧下さい。
しかし、日本では何と言ってもこの銃が有名なのはモンキー・パンチ氏の漫画(というかそれが原作のアニメ)『ルパン三世』の影響であろう。 このアニメに関しては、今更何の説明も必要ないと思う。P38はルパンの愛銃である。そして何しろ主題歌(エンディング:ルパン三世)の中で『ワルサーピーさんじゅうはち〜』と名指しで歌われてしまっているのである。また、1997年にはTVスペシャルのシリーズ第9弾が放映されたが、そのタイトルが『ルパン三世
ワルサーP38』であった。 映像の中ではそれ程銃を使わないルパン三世であるが、新作漫画『ルパン三世Y』の中では
P38 では無く、同じワルサー社が1996年に開発した P99 を手にしている。またワルサーPPKを使う事で有名であった英国の情報部員ジェームス・ボンド『007』も、映画のシリーズでは銃を
PPK から P99 に持ち替えてしまった。時代の流れとは言え少々寂しい気がする。 |